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JA秋田厚生連ニュースダイジェスト JA秋田厚生連グループ(病院・本所)の取り組みやイベントなどをお伝えしていくコーナーです。

ニュースダイジェスト

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2024年7月 《JA秋田グループ広報誌「かけはし」2024年7月号》

防災ヘリコプターによる搬送訓練を実施しました

かづの厚生病院

 防災ヘリコプターは、消防活動・救急活動を支援するために主に消防庁や県が保有しており、山岳救助や水難救助、山火事での消火活動や航空救急等に用いられるヘリコプターです。当院では、ヘリポートから救急患者の受け入れのほか、毎年5月頃に県所属の防災航空隊と鹿角消防署、当院看護師が連携し合同訓練を行っています。
 訓練では、医師役、看護師役、救急隊役、患者役に分かれ、まず患者をストレッチャーに乗せ、防災ヘリコプターへ搭乗させます。上空では、患者の容態を常に観察し、強い揺れがあったときには不安にならないよう声掛けをし、実際起こりうる状況をシミュレーションして行いました。防災ヘリコプターでは、ドクターヘリコプターと違い、フライトドクターと呼ばれる医師が同乗せず、患者の状態がわからないまま搬送されます。このため、少しの患者の状態の変化などにも気付くことが大切になります。
 近年秋田県では、毎年春頃から秋にかけてクマによる被害や山での遭難者が多発しています。鹿角市は過疎地域であり、近隣の大学病院などへ陸送するには1時間ほどかかるため、山間部で重傷を負った場合の搬送には、防災ヘリコプターの役割が非常に重要になっています。
 引き続き有事の際に迅速かつ適切な対応ができるよう県や関係機関と連携しながら、訓練を重ねてまいります。

通常総会を開催

JA秋田厚生連

 JA秋田厚生連は6月28日、JAビルで第76回通常総会を開き、令和5年度決算などいずれも原案通り承認されました。

1. 事業の概況

 医療を取り巻く情勢は、令和6年4月施行の国の「第8次医療計画」において様々な施策が進められ、2040年頃を見据えた新たな地域医療構想の在り方についても議論が始まっています。
 本会では、二次医療圏の広域化を盛り込んだ「第8次秋田県医療保健福祉計画」に対し、当面現在の医療機能を引き続き維持しながら、地域の医療機関との機能分化、連携強化を図りながら、診療機能の分化と集約化の検討を進めています。
 令和5年4月からは、効率的な業務執行体制の再構築に向け、患者数規模に見合った体制への転換及びDX、AIの活用等を含めた業務の見直しと併せ、電子カルテの更新と共に外来運用変更を実施しました。
 このような中、経営収支においては、国による感染症対策としての医療機関支援の継続及び物価高騰対策としての支援も加わって補助金を受け入れた結果、最終的な損益では剰余金を計上することができました。

2. 医療事業

 「信頼とぬくもりのある医療の提供」を基本理念に、「健全な経営・財務基盤の確立」「地域医療構想を見据えた医療提供体制の見直し」等の事業方針に基づき、地域の基幹となる病院機能を発揮すべく運営にあたりました。
 また、新型コロナウイルス感染症への対応も通常の医療体制に移行されましたが、本会病院においても繰り返し院内クラスターによる診療制限が生じるなど、感染対策との両立に努めました。
 令和6年1月に発生した能登半島地震に対しては、各病院からDMAT、JMATを派遣し、被災地支援を行いました。

3. 保健福祉事業

①健康管理事業

 生活習慣病検診では、高齢者医療確保法などに基づく市町村及び事業所の健(検)診事業を県内JAや市町村等と連携を図り実施しました。特定健診、事業所健診等の一般健診やがん検診を中心とした単独実施検査の受診者数は、施設内住民健(検)診等の縮小等の影響により、年々減少傾向となりました。
 また、コロナ感染症に対し、自治体が行うワクチン接種事業への医療従事者の派遣など、行政施策と一体となって事業活動を展開しました。
 なお、8病院のホームページ上にWEB予約フォームを構築し、受診者の利便性向上等に努めました。

②高齢者福祉事業

 訪問看護ステーションや居宅介護支援事業所においては、多様なニーズに応えるため、医師やJA等の介護保険サービス事業者、地域包括支援センター等と連携し、積極的な取組みを行いました。

 今後も厳しい医療情勢の中、JAの医療機関として、また地域医療を支える公的医療機関として、その使命と責務を積極的に果たしてまいります。