2019年3月 《JA秋田グループ広報誌「かけはし」2019年3月号》
冬のおもてなし料理
雄勝中央病院
当院の栄養科が提供する食事では、行事食を年20回以上提供し、地産地消にも力を入れることで、入院中の患者さん達に季節を感じていただき、生活に潤いを持っていただけるよう努力しています。今回は、行事食の一つである「お正月料理」と地産地消の取り組みについてご紹介します。
当院では、三が日に「お正月料理」として、おせちを提供しています。病院給食と聞くと、野菜を切る作業は全て機械でというイメージがあるかもしれませんが、当院では手作業で行い、調理師の腕の見せ所になっています。例えば、紅白なますは、味の染み込みや食感を考慮し、適した細さに切っています。かまぼこは、手綱にすることで見た目も華やかにしています。様々な工夫をこらし、患者さんに新年を迎える慶び、一年の幸せを願う思いを込めて「お正月料理」を提供しています。
地産地消の取り組みとしては、JAこまちや農家さんと連絡を取り合い、湯沢産の旬の野菜(冬は、三関せりや※ひろっこ等の伝統野菜)や果物を購入し、給食にたくさん取り入れています。提供する際は、食材の時期や栄養価、レシピ、栽培の仕方等を載せた説明カードを添えています。患者さんからは、「レシピを見て家でも作ってみます」や「三関せりは、冷たい水できれいに洗っているなんて、農家さんに感謝ですね」という感想をいただきました。こうした意見を受け、当栄養科では、農家さんが丹精こめて作った食材を美味しく調理しなければと、改めて感じることができました。
食事は、空腹を満たすだけでなく、心を満たすことも大切だと思います。患者さんが少しでも入院生活で心が温まる時間を提供出来るよう、これからも精進していきたいと思います。
※ひろっこ…1m以上の雪の下から掘り出されるアサツキの若芽。秋田では、黄白色で、より白っぽく、曲がっている細身のものが好まれるようです。
本所コンプライアンス研修会を開催
秋田県厚生連
秋田県厚生連では、全職員がコンプライアンスを正しく理解し、実践するために、コンプライアンス全般に関する教育・啓発を目的とした研修会を開催しています。研修会は、職種別・階層別に年5回、また各病院でも毎年行っています。
今年度本所では、2月13日に損害保険ジャパン日本興亜株式会社の桐山拓也氏を講師に招き、「医療機関におけるハラスメント」と題し、研修会を開催しました。最近、ニュースや新聞等で、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメント、マタニティーハラスメントなど、様々なハラスメントについて耳にする機会が増えました。全国的に様々なハラスメントについての問題が発生しています。ハラスメントは相手の尊厳や人格を傷つける許されない行為であり、職場環境を悪化させるものです。よって、ハラスメントなど人権侵害となる行為のない、良好な職場環境の維持・向上に努めていかなければいけません。
研修会では、パワハラの判断基準や指導とパワハラの違い、マタハラの起きやすい背景や禁止される行為、ハラスメントの予防対策などを、事例を交えながらお話しいただきました。そして、ハラスメントは誰もが当事者になり得る問題で、加害者や被害者にならないためには、お互いの立場を思いやる日頃のコミュニケーションがとても重要であると理解するよい機会となりました。
当会では、コンプライアンスマニュアル(抜粋版)を作成し全職員に配布するほか、職員向け広報誌において、コンプライアンスについての記事を掲載する等の取り組みをしています。今後もこのような研修会や広報誌等を通し、職員一人一人のコンプライアンス意識を高め、日々の業務に活かしていきたいと思います。