2023年4月 《JA秋田グループ広報誌「かけはし」2023年4月号》
「特集」令和5年度事業計画のポイント
『入院診療への注力と外来機能分化の推進/業務改善・効率化の着実な実践』
JA秋田厚生連
1.厚生連を取り巻く状況について
医療を取り巻く情勢は、地域医療構想の実現に向けた議論の活発化が促されていることと合わせ、令和5年度は県において第8次医療計画の策定が予定されており、高齢者数がピークとなる2040年頃を見据えた対策についても、政府において検討が進められています。
こうした中、新型コロナウイルスの感染拡大により、一時は病床がひっ迫するなど、病院運営は難しい舵取りが続いており、政府は段階的にコロナ対策を見直すとともに、感染症法上の位置付けについて、本年5月8日から季節性インフルエンザと同じ「5類」への引下げを決定し、これまでの感染症対策は大きな転換期を迎えます。
2.第二期経営健全化計画の初年度
当会では、コロナによる急激な経営環境の変化を見据え、令和7年度までの中期計画「第二期経営健全化計画」を策定し、令和4年度よりスタートさせております。令和5年度はこの中期計画の2年目として、その後の情勢推移を的確に捉え、入院診療への注力と外来機能分化・医療介護連携、業務改善・効率化の実践などの重点課題を事業計画に明確に掲げており、役職員が一丸となって取り組んでいきます。
今後も公的医療機関、また県内各二次医療圏における中核的医療機関として、安全・安心で質の高い医療を持続的かつ安定的に提供していく使命と責務を果たしてまいります。
3.事業方針
(1)健全な経営・財務基盤の確立
経営の健全化
入院を中心とする専門性の高い医療の拡充と合わせ、人的資源の効率的な配置によってムダのない運営体制の構築を図ります。
効率的な業務執行体制の構築
令和4年度より重点的に進めている業務改善の取組事項について、本所に新たに設置する「業務改革推進室」が主体となり、各病院と進捗や課題・問題点等を共有しながら協力して推進することで、着実な実践に繋げていきます。
収益確保対策
二次医療圏における厚生連病院と他の医療機関等との役割分担のもと、医療連携に加え、介護分野との一層の連携強化を図ります。
また、新型コロナウイルス感染症にかかる診療報酬の影響を検証し、診療収益を的確に把握することで、アフターコロナを見据えた収益確保見通しの分析・検討を行います。
費用適正化対策
在庫の適正化を図るため、これまでの消費実績データに基づいた厚生連統一基準による診療材料の部署別定数の設定見直しを行います。
また、昨今の物価高騰を踏まえ、省エネ対策の推進等により光熱費使用量の節減に努めるなど、その影響を最小限にとどめます。
施設・設備の効率的な整備
全病院で計画する電子カルテシステムの更新にあたり、円滑な導入に努めるとともに、業務改善・効率化に資するICTの活用や自動化システム等の導入を検討し、効率的な業務執行体制の構築に繋げます。
(2)地域医療構想を見据えた医療提供体制の見直し
機能分化と地域医療連携の推進
地域医療構想調整会議における議論を踏まえ、厚生連病院の役割・機能を明確にしながら、機能分化と地域医療連携を推進します。
病床の機能・規模の適正化
人口減少や少子高齢化、急性期患者の減少と回復期患者の増加などの医療需要推計を踏まえつつ、患者数規模に見合った体制による効率的な病棟運営の観点からも、病床の機能・規模について適宜見直しを図ります。
外来機能の分化促進
外来機能の高度・専門化を一層進め、症状が安定した再来患者の逆紹介を積極的に行うなど、外来機能の分化促進を図ります。
また、外来機能報告制度の創設と紹介受診重点医療機関の明確化を踏まえ、将来的な紹介受診重点医療機関の指定に向けた取組を推進します。
(3)患者の視点に立った魅力ある病院づくり
安全で安心な診療体制の構築
感染症対策の徹底により受診環境・療養環境の整備に努めるほか、安全・安心な診療体制の維持・確保に向け、病院情報システム等におけるサイバー攻撃に対するセキュリティの強化を図ります。
患者サービスの向上
接遇への意識向上を図るとともに、アンケート等をもとに患者ニーズを的確に把握し、患者の視点に立ったサービスの提供に努め、快適な療養環境の整備を図ります。
(4)働きがいのある職場環境づくり
医療従事者の確保
採用困難な状況が続く職種の奨学金貸与対象を拡大したことから、高校訪問等において広報を行い、奨学生の確保に努めます。
また、医療従事者の働き方の改善と負担軽減を図るため、資格が無くても行える業務のタスクシフトを促進します。
勤務環境の整備
「ハラスメント対策チーム」を本所に新設し、働きやすい職場環境の構築に向け、相談体制の充実や防止対策等の強化を図ります。
医療を担う人材育成と技術向上
マネジメント教育プログラムに基づいたeラーニング研修ツールのコンテンツ拡充を踏まえ、職員による研修動画の積極的な視聴を促進します。