2020年04月 《JA秋田グループ広報誌「かけはし」2020年04月号》
令和2年度 事業計画のポイント
『将来を展望した医療提供体制の構築に向けた取組みの更なる推進』
JA秋田厚生連
厚生連を取り巻く状況について
医療を取り巻く情勢は、人口減少や少子高齢化の進展等により年々患者数が減少しているほか、医師の不足、地域偏在・診療科偏在の問題は解消の兆しが見えず、依然として厳しい状況が続いています。
このような状況の中、国は、将来(2040年)を展望した医療提供体制の構築に向け、「地域医療構想の実現」「実効性のある医師偏在対策の推進」「医師・医療従事者の働き方改革」の三位一体による改革を推し進めており、令和2年度は、それらを踏まえた診療報酬改定が実施されるなど、これまでの将来ビジョンに新しい視点を加えた柔軟な対応が求められる年度になると考えられます。特に地域医療構想の実現に向けては、今後、各地域において病床規模の見直しや医療機能の分化・連携の議論がさらに本格化してくることが想定されることから、各二次医療圏における中核的医療機関として、それぞれの地域で担う役割や機能を明確に示しつつ、安全・安心で質の高い医療を継続的かつ安定的に提供できるよう、その責務を果たしてまいります。
長期ビジョン・経営健全化計画の実現に向けた2年目の取組み
令和2年度は、「長期ビジョン」及び「第一期経営健全化計画」の2年目として、経営健全化計画に掲げる重点アクションプランについて、初年度の取組状況の振り返り(検証)を行い、必要があれば柔軟に内容の見直しを行いながら、それぞれの取組みを着実に実践していくことで、長期ビジョンの実現を目指し、環境の変化に柔軟に対応した医療提供体制の構築と経営・財政基盤の安定化・健全化に引き続き取り組んでまいります。
患者の視点に立った魅力ある病院づくり
良質な医療を提供するための環境整備
各二次医療圏における中核的医療機関としての病院機能を発揮するため、地域の病院や診療所との連携はもとより、介護系施設・訪問看護ステーション等とも多職種研修会や意見交換会を開催することで連携強化を図ります。また、良質な医療を提供するため、施設設備・医療機器等の整備及び修繕に関する長期計画に基づき効率的な整備を進めます。
患者サービスの向上
すべての入院患者を対象とした利用者満足度調査を実施し、より多くの患者さんの声を聞くことで、更なる接遇力の向上を図ります。また、訪問教室の内容をホームページに掲載し、広く周知を図り、きめ細やかに実施していくことで地域住民の皆様の健康づくりをサポートします。
健全な経営・財政基盤の確立
収益確保対策
二次医療圏における厚生連病院と周囲の医療機関との役割分担を明確にしながら連携強化を図り、紹介・逆紹介を推進することで新患者の受入れ拡大に繋げるとともに、令和2年度診療報酬改定について、迅速な情報収集に努め、早期の対応方針の決定と情報共有の強化により施設基準の新規・上位取得を行うなど収益確保に努めます。
費用適正化対策
医薬品や診療材料についてはスケールメリットを生かした廉価購入に継続して取り組むとともに、病院の維持管理費用については、コンサルティングによるアドバイスを参考とし、施設や設備の保守等に関わる契約内容を改めて検討することで、費用の節減を図ります。
働きがいのある職場環境づくり
勤務環境の整備
「働き方改革」を進めるためには職員の意識改革が必要であることから、職員が各自の労働時間を意識しながら業務に取り組むよう周知を図るとともに、安心して働き続けられる職場環境の整備に向け、職員の身体的・精神的負担の軽減を図るための各種取組みを積極的に実施します。
職員満足度の向上
新たに職員満足度アンケートを実施することで、更なる勤務環境の改善・充実に繋げていくほか、その職員を支える家族を対象とした取組みについても継続して検討します。
地域医療構想を見据えた医療提供体制の見直し
機能分化と地域医療連携の推進
地域医療構想調整会議における議論を踏まえ、各二次医療圏における厚生連病院の役割・機能を明確にし、将来の地域の医療需要を見据えた機能分化と地域医療連携を推進します。
地域の実情を踏まえた病床の機能・規模の適正化
各二次医療圏の中核的医療機関として、急性期から回復期までの切れ目のない医療提供体制の維持を基本としつつ、人口減少や少子高齢化に伴う患者数減少等の環境変化に応じて病床の機能・規模を適宜見直すとともに、休床病床等については法令による処分制限等に留意しながら、自主事業や公益的事業などの他目的利用方法を検討します。