2024年3月 《JA秋田グループ広報誌「かけはし」2024年3月号》
湯沢市・雄勝郡における糖尿病重症化予防プログラムの現状と対策
雄勝中央病院
当院は湯沢・雄勝地域の二次医療を担っており、保存期腎疾患から透析まで一貫した腎疾患管理を行うため、2021年4月に腎センターを立ち上げました。
現在、透析の原因疾患の1位は糖尿病性腎症(DKD)です。また、内科で突然の眼底出血やDKDの放置からの失明や、腎不全、透析に至る残念な糖尿病症例を経験し、糖尿病対策も真剣に取り組みたい考えました。糖尿病重症化予防が喫緊の課題でしたが、コロナ禍の3年余り、当地域での糖尿病重症化予防プログラムの具体的な進展がありませんでした。
コロナも収束しつつある2023年4月に、当院の保健福祉活動室、地域医療連携室、糖尿病療養サポートチームが連携し、湯沢市雄勝郡医師会、湯沢市、羽後町、東成瀬村、湯沢保健所の担当者が一堂に会し、糖尿病重症化予防プログラム推進協議会を開催しました。各々の立場から現状報告し、今後の活動計画を確認し合い、その後、3か月に1回程度、継続して現状の活動などの情報交換を行っています。
院内では、2022年10月から糖尿病食の体験、管理栄養士からの食事指導、1日の血糖の推移、眼科・歯科診察、フットケア、糖尿病の解説などを組み入れた、5日間の糖尿病教育入院を始めています。2024年1月まで36名の入院があり、ほぼ全例で糖尿病が改善傾向となっています。
これらの活動により、患者さんの生活習慣改善(食生活、軽い運動習慣、減酒、口腔衛生等)に繋げ、今後の検査値(血圧、HbA1c、eGFR、尿蛋白等)の推移を把握し、中長期的には糖尿病の重症化リスクを低下させ透析導入を回避し、また、糖尿病による心血管疾患の減少を目指していきたいと考えています。
ハラスメントのない働きやすい職場づくりを目指して
JA秋田厚生連
令和2年6月に改正労働施策総合推進法(通称パワハラ防止法)が施行され、令和4年4月にはすべての職場でパワハラ防止措置が義務化されました。当厚生連では「ハラスメントのない働きやすい職場づくり」を目指し、令和5年4月、ハラスメントに関する専門部署を立ち上げました。
ハラスメント対策チームの主な活動は、ハラスメントに関する、全職員を対象としたアンケートの実施、パンフレット等の作成、各種マニュアルの整備、研修会の開催、多くの職員から直接声を聴く多職種を交えた職員ヒアリング(座談会)の実施など啓発・啓蒙活動を中心に行うとともに、相談窓口としての機能も備え、職員からの相談、問題解決に向けた対応にも取り組んでおります。
相談窓口に直接相談する場合のハードルは高く、職員からは「本当にプライバシーが守られるのか」、「相談することで不利益を被るのでは」との不安の声も聞かれ、相談を躊躇する職員も多くいました。そのため、匿名でも気軽に相談できる相談フォームをWEB上で開設し、相談しやすい体制を整え、現在では多くの職員から相談が寄せられるようになり、一つひとつ丁寧に、かつプライバシーに配慮しながら対応しています。
今後もハラスメントのない職場環境を目指し、継続的にハラスメントの防止対策に取り組んでまいります。