2021年5月 《JA秋田グループ広報誌「かけはし」2021年5月号》
接遇《お・も・て・な・し》環境にむけて
北秋田市民病院
当院では令和元年度より患者さんに喜んでいただける病院、職員も楽しく働ける病院を目指し、接遇《お・も・て・な・し》委員会を発足しました。医療機関における「接遇」とは、患者さんの満足度を上げることはもちろんのこと、医療従事者自身にとって楽しく心地よい職場環境にすることでもあると思います。例年の主な取り組みとしては、接遇に関する普及啓発活動の他、正面玄関での「あいさつ運動」、患者さんへ向けたクリスマスコンサートを開催してきました。昨年度は新型コロナウイルス感染症による感染予防対策のため、こうした活動も自粛状態のまま新年度を迎えました。未知の感染症と闘いながら日常の診療も継続していかなければならない日々が続き、ストレスが溜まり、閉塞感からコミュニケーションエラーも起こりやすい環境になってしまいがちです。こんな大変な時だからこそ思いやりの言葉や気持ちの良いあいさつが心に響くのではないでしょうか。組織として思いが伝わりやすい職場風土があれば多くの事は未然に回避できると思います。接遇委員会はこんな職場風土を作るための活動を今後も継続し、より多くの人の満足度向上に向けて努めてまいります。
腎センターの紹介
雄勝中央病院
腎疾患の診療も腎臓内科と泌尿器科があり、その内科的な側面からの臨床が腎臓内科の専門分野です。急性糸球体腎炎、急性腎不全などの急性疾患の他、IgA腎症、ネフローゼ症候群、多発性嚢胞腎、顕微的多発血管炎、ループス腎炎などに代表される難病などの慢性疾患まで、対象領域は多岐にわたります。初期の腎疾患から保存期腎不全、末期腎不全から腎代替療法に至るまで、すべての腎疾患に対するトータルマネージメントを行っています。腎疾患のガイドラインに沿った、エビデンスに基づいた最新の標準治療を提供しています。
また、慢性腎臓病の重要な基礎疾患である糖尿病や高血圧に対する治療についても、生活習慣の改善を含め、看護師、管理栄養士、薬剤師などの多職種と共同して患者教育を行い、患者さんの行動の変容を促し、腎障害の進展を阻止しています。
日本の血液透析患者数は約34万人ですが、雄勝中央病院の透析センターは血液透析患者が全国で949人しかいなかった昭和45年に開設された老舗の透析施設です。透析施設の規模は透析ベッド数40床で、夜間透析も行っています。県南の基幹施設として質の高い透析医療を目指しています。
慢性腎不全の治療として、血液透析の他、腹膜透析や腎移植があります。患者さんが希望する腎代替療法を提示し、腎移植は秋田大学腎疾患先端医療センターと緊密な関係にあり、生体腎移植を受けられた患者さんもいます。2021年4月から、当院泌尿器科外来には、長年秋田大学で腎移植を推進してきた佐藤滋・秋田大学特別教授が外来応援医として来られています。いつでも個別に、気軽に腎移植について相談できます。
その他、血漿交換療法、エンドトキシン吸着療法など、特殊な血液浄化療法も行っていきます。
これらの取り組みにより、末期腎不全に至る患者さんを1人でも減らせるように努力していきたいと思っています。皆様からのご相談はいつでも歓迎しますし、今後のご協力もよろしくお願い致します。