2018年04月 《JA秋田グループ広報誌「かけはし」2018年04月号》
平成30年度 事業計画のポイント
2025年に向けた医療提供体制への議論の本格化と次期長期事業計画の策定
秋田県厚生連
厚生連を取り巻く状況について
医療を取り巻く情勢は、6年ぶりの診療報酬・介護報酬同時改定が行われるほか、新たな「秋田県医療保健福祉計画」及び「第3期秋田県医療費適正化計画」が開始し、2025年を見据えた地域医療構想の実現に向けた医療機能の分化・連携の進捗や病院機能・規模の見直し議論の加速化が見込まれるなど、今後の厚生連の方向性を左右する大きな節目を迎えています。
こうした中で、厚生連は、組合員をはじめとした県民の健康を守るため、地域の中核的な医療機関として安全・安心で質の高い医療を継続的かつ安定的に提供し、その責務を果たしてまいります。
当会のイメージキャラクター・こころん
長期事業計画最終年としての総仕上げと次期計画の策定
長期事業計画及び第二期経営改善計画の最終年度として、外部環境及び内部環境の変化に迅速かつ適切に対応するとともに、第二期経営改善計画アクションプランの着実な推進により、急速な経営環境の変化にも耐えうる強固な経営・財務基盤の構築に引き続き取り組みます。
また、各二次医療圏における人口減少や、少子高齢化に伴う医療・介護需要の変化を見極めつつ、平成37年やその後の医療提供体制を視野に入れた新たな展望の下で、次期長期事業計画の策定を行います。
経営・財務基盤の強化・安定化
収益確保対策
診療報酬・介護報酬同時改定に対応し、現行の入院基本料と同様の基準を維持する運用に努めるほか、入退院支援の強化や周囲の医療機関・介護施設等との連携を更に推進し、収益の確保に取り組みます。
費用節減対策
医薬品や診療材料に加え、外注検査についてもグループ病院としてのスケールメリットを生かした調達・委託を行うほか、照明のLED化の検討や建物等保守点検業務・委託業務の業務内容の見直しを行うなど、費用節減に努めます。
地域医療構想を見据えた医療提供体制の見直し
病院機能再編計画の推進
各医療圏における中核的医療機関としての役割を果たすため、急性期機能を中心としつつ、回復期機能も備えた切れ目のない医療提供体制を維持してまいります。その中で、将来の医療需要を見据えた病床機能・規模の見直しや医療機能の分化・連携を推進し、効率的な運営体制の構築に努めます。
職員定数適正化計画の推進
病床機能・規模に見合った職員の適正配置やチーム医療の推進、専門技能を発揮できる業務分担や効率的な兼務体制の実現により、質の高い医療の提供を目指します。また、新人教育プログラムの実施や、医療資格の取得及び維持への支援など、キャリア形成に必要な取組みを行います。
患者の視点に立った魅力ある病院づくり
良質な医療を提供するための環境整備
地域に密着した公的医療機関として、患者中心の安全・安心な医療の提供に取り組みます。また、院内の環境整備により療養環境の向上を図るとともに、検査・治療等の充実に必要な医療機器・設備の整備を推進します。
患者サービスの向上
利用者満足度アンケートや日々のご意見を参考に、接遇力の向上や給食の充実に努めるほか、多様化する患者ニーズに対応するため、スマートフォンページの拡張や病院情報の公表など情報提供の充実にも取り組みます。
医療従事者の確保対策と働きがいのある職場環境づくり
医師確保対策
地域医療を担う病院として、その機能・水準を維持・向上するためには医師の確保が必須であるとともに、収益の確保を図る上でも最重要課題であることから、引き続き関係大学へ強力に派遣要請を行うとともに、初期研修医の受入拡大などに取り組んでまいります。
看護師等確保対策
奨学金貸与制度の更なる周知を図りながら、説明会や養成校訪問での積極的なPR等により確保に努めるとともに、職種ごとの教育体制の整備や離職防止対策の強化などに取り組み、定着の促進を図ります。
保健予防活動事業の推進
組合員及び地域住民の生活習慣病を中心とした疾病予防の充実を図りながら、市町村・JAなど関係機関との連携の下で効率的な事業運営に努めます。
高齢者福祉事業の推進
JAが行う介護保険事業等との連携強化による地域セーフティネットづくりを進めるなど、受け入れ環境の充実に取り組みます。