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秋田県農村医学会主催の第53回農村における健康を考える集いが11月3日(土)に能代市の能代市文化会館で開催されました。
この集いは、県種苗交換会のメイン行事の一環として毎年行われているもので、「検診、その先にあるもの」をテーマに、医師ら4人の講師の方が、それぞれの立場から講演やパネルディスカッションを通じ、市民や医療関係者300人にがん予防の意識、がんの早期発見に向けた検診の重要性を訴えました。
宮城県対がん協会がんセンターの渋谷大助所長は、がんで死なないためには検診を受けて早期発見・早期治療を行う二次予防が必要で、喫煙・大量飲酒・運動不足からみられる生活習慣病に警報を鳴らしていました。
秋田県健康推進課がん対策室の金子治生室長は、行政の立場から秋田県のがんの現状と取組みについて紹介しました。がん対策の推進には、がん患者さんや経験者及びその家族、保健医療関係者、民間企業、市町村、そして県民一人ひとりの英知とパワーを結集して取り組んでいくことが鍵です。県民総参加でがん検診率50パーセントを目指そうと呼びかけていました。
秋田大学大学院医学系研究科臨床腫瘍学講座の大塚和令講師は、秋田県では胃がんや大腸がんで亡くなる方が最も多い。がんは、手術しなくとも内視鏡手術でも出来るものもあります。だから早期発見にがん検診を受けることが大切です。と述べていました。
山本組合総合病院外科の大山健一診療部長は、がん検診は受けるだけではダメ。もし、引っかかったら必ず医療機関で検査を受けることです。「異常なし」となると「しばらく大丈夫」と思っている人が多いので、検診は毎年続けて受けるようにと日々「がん」と闘っている外科医の立場から「がん検診の大切さ」を話していました。
最後に参加者との自由討議が質問に答える形で進められ、がん検診への補助制度や「がん」以外の病気のことなど活発な質疑応答が行われていました。
厚生連病院では、日常診療や健診事業などを行っていますが、その他にいろいろな研究活動も行っています。
今回ご紹介する多目的コホート研究とは、国立ガン研究センターが主として行っている研究で、ガンやその他の生活習慣病に与える因子を探るため二十年以上に亘って継続されています。全国十二地区の十四万人を対象に実施されており、その中に旧横手市と雄物川地区住民も含まれています。平成二年からの健診時にいただいた貴重な血液を現在も保存しており、どのような成分が健康に影響しているのかを分析・解析しています。
この研究から得られたデータから喫煙や飲酒、食事、運動などがガン発生に及ぼす危険度などを二百以上の論文で明らかにしてきました。その成果は世界的に認められており、これからも国民全体の健康に大きく貢献するものと期待されています。
更にこの研究を継続するために次世代多目的コホート研究が昨年度から開始され、今後、少なくとも二十年以上続けられる予定です。この事業には平鹿総合病院秋田県農村医学研究所が平成二年度から協力していますが、何といっても地域住民の協力が不可欠です。それに大きく貢献しているのが秋田ふるさと農協の健康推進協議会組織です。秋田県の農協人が国民の健康維持に役立っているという事実は大いに誇るべき事と言えます。(研究結果を知りたい方は写真のホームページへ)
秋田県厚生連は、患者さんをはじめ地域の皆様により親しまれ、信頼をもって来院していただける病院を目指して、『笑顔deふれあいキャンペーン』を実施しています。
このキャンペーンは、より安全で安心な医療の提供を、病院を利用される方や地域の皆様にお約束するとともに、職員全員で経営改善を着実に進める強い意志を共有しようと、平成22年4月からスタートしました。主な取組みとして、キャンペーンバッジの着用や、アンケートの実施などが挙げられます。
病院を利用された方はご覧になったことがあるかもしれませんが、職員が着用しているバッジもキャンペーンの一環です。全職員がバッジを着用することで、皆様への積極的なあいさつの励行と、組織一体化への意識付けを図っています。また、病院内に掲示してあるポスターは、厚生連の決意を表わすとともに、4つの誓いを掲げています。
更に、皆様の声に応え、職員のモチベーションを高めるために、「利用者満足度調査」を実施しています。これまでに5回、延べ17,103名のご協力を頂き、待ち時間の解消や職員の接遇などに対したくさんの貴重なご意見を頂戴しています。これを基に皆様の満足度を向上するべく、日々取り組んでいます。
秋田県厚生連は、これからも地域医療を守り、より愛される病院となるため、『笑顔deふれあいキャンペーン』を継続していきます。