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“ふれあい看護体験”は、社団法人秋田県看護協会主催の事業で、看護師を志す学生を対象に毎年開催されています。今年も7月29日(金)、秋田組合総合病院を会場に24名の中学生が参加しました。その目的は、患者さんや看護師と直にふれあうことを通して、医療や看護に対する理解と関心を深めることにあります。鎌田順子副院長・看護部長の講演後、数人ずつのグループに分かれ、病棟単位で血圧測定、手浴足浴、車椅子操作など緊張しながらおそるおそる担当看護師と一緒に体験していました。その後、患者さんから「ありがとう」の言葉をかけられると、ほっとした表情で笑顔まじりに会話が弾んでいました。また、生まれたばかりの赤ちゃんを間近に感慨深く見つめる姿もありました。終了後のアンケートから、相手の気持ちを考えることの大切さ、大変だけど命に関わる大切なやりがいのある仕事、看護師になりたい、医療関係の仕事に就いてみたいという思いを一層強くしたなどたくさんの熱い思いが感じられました。そして、全員が“ふれあい看護体験”に参加してよかったと答えていました。
3月11日(金)、東日本大震災により人々の暮らしが大打撃を受けました。震災を通し、命の大切さ、日常のありがたさを改めて感じています。そして今、日本中の人々が一丸となりこの危機を乗り越えようと頑張っています。このような中で開催された“ふれあい看護体験”は、未来の医療を担う頼もしい若者が、数多く誕生すると予感させてくれた一日でした。
8月5日に当院会議室において「救急・災害医療研修会」を開催しました。
当院は地震、火災、津波など大規模災害発生時に地域の初期救急の中心となる病院として県より災害拠点病院の指定を受けています。
今回の研修会には東日本大震災により被災された宮城県石巻市立病院から内山哲之外科部長をお招きし、「機能壊滅病院からの報告~あのとき何が起きていたのか?~」をテーマに講演をいただきました。研修会には、実際に津波被害にあった先生の生の声を聞きたいと170名もの多くの職員が参加しました。
講演は、先生が震災時に書きためた被災後1ヶ月の行動記録に基づき、当時の写真や動画を交え、地震発生時の病院や避難方法、全電源ダウンにより通信手段がなく孤立化した病院、患者さんの他施設への搬出活動など、私たちの想像を超える悲惨で大変な状況の報告がありました。震災を経験された上で、「通信手段を確保することが最大のポイントで、また、患者さんをパニックにさせないために、いつも通り回診をするなど通常を維持することも大事です」と述べ、防災訓練や防災対策の重要性を改めて感じました。これからはその病院の立地条件などを踏まえ、病院ごとの訓練内容にしなければいけないとも確認しました。
最後に内山先生は「可能な限り今後も被災地域の医療復興に携わっていき、今後も地道に活動を続けたい」と話してくださいました。