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医療を取り巻く情勢は、診療報酬が十年ぶりに引き上げられたものの、新医師臨床研修制度の導入による勤務医の地域偏在による医師不足に加え、少子高齢化の進展や雇用・景気不安の影響等の要因により入院・外来患者数の減少に歯止めがかからず、病院経営も一層厳しさを増しております。病院経営において貴重な経営資源である医療従事者の確保がままならない状況において、国の医療政策の大幅な方針転換が求められるものの、医療従事者の育成プロセスにも抜本的な見直しが必要な時期を迎えているものと考えております。
本会は医療施策の変遷や病院改築整備事業に伴う経営悪化を回避するため「財務改善計画」を策定し医師不足や患者減少等の課題を抱えながら引き続き経営基盤の強化に向けた経営改善努力を続けてまいります。
また、本会は秋田県の8医療圏の中核的医療機関としての役割を担う中で、医師・看護師不足や地域に必要な医療機能の確保等の課題に対しては、県や地元自治体、関係機関等と連携・協力し、組合員はじめ地域住民が安心して受けられる医療提供体制の構築を目指してまいります。
計画の実効性の検証と対策を強化するため、具体的目標及び進捗状況を明らかにしながら全職員が情報を共有化し、経営意識の醸成を図ります。
効率的な病棟運営、良質な医療の提供、診療報酬の適正な確保を図るとともに、自費未収対策チームを設置し、未収金の回収強化に努めます。
全国的な確保競争が激化し、極めて困難な状況が続く医療従事者の確保については、地域別、診療科別の偏在が顕著な病院を主体に医師確保に向けた取組みを進めます。また、看護師やコメディカル等の医療従事者についても、ライフスタイルに見合った勤務環境の整備を進め、要員の確保に努めます。
医療従事者の身体的、精神的負担の軽減を図るため職員面談制度を充実し、ワークライフバランスに配慮しながら、長く働ける職場として勤務環境の整備・改善を図ります。院内保育所については、昨年10月に開設した由利組合総合病院における効果を検証し、今後の計画を検討します。
患者中心の安全・安心な医療の提供に取り組み、地域に密着した病院として誠意ある対応に努めます。また、老朽化が進む病院の改築を進め、療養環境・勤務環境の向上を図るとともに、治療・検査等の充実に必要な医療機器、設備の整備を進めます。
患者や地域の皆様に親しまれる病院として広く病院に対する意見・提言を拝聴し、改善に努めるため、アンケート調査等を実施し、利用者の満足度アップを図ります。
医療法に準拠し、院内感染対策及び医薬品・医療機器の安全使用を徹底させ、患者の苦情や相談等に適切に対応しながら、一層の安全管理体制の充実に努めます。また、患者が分かりやすく納得し、安心・安全で生活の質にも配慮した医療の提供を図ります。
多様化する患者ニーズに対応した病院ホームページ等の広報機能の充実を図り、患者の選択に配慮した情報提供の推進に努めます。
電子カルテに対応した統合医療情報システムへの更新を行い、システムの高度化による患者サービスの向上や業務の効率化を図ります。
人事異動希望制度を取り入れ、適材適所への配置を促進するなど人事交流を活発化することにより、モチベーションや経営意識、多様な業務知識の向上を目的とした積極的な人材育成を図ります。また、認定看護師資格取得への修学支援を行い、全体的な医療技術の向上に努めます。
事業を継続していくためには改築が不可欠でありますが、行政と策定した「湖東地区医療再編計画」に必要とされる医師の確保の目途が立たず、改築後の経営状況は極めて厳しい見通しであることから、医師確保と改築後の収支予測を見据えながら検討を進めます。
県の地域医療再生計画や市街地再開発事業と連動し平成26年の開院に向け、県・市と連携して病院改築事業を積極的に推進し、改築後の地域連携のあり方や運営収支の早期改善に向けた検討を進めます。
保健事業については、効率化の観点に基づき事業内容を精査しながら、健康管理活動の充実、検診受診率向上、効率的な検診体制の整備を進めます。
高齢者福祉事業については、訪問看護ステーション・居宅介護支援事業所の機能充実を図るとともに、JAが行う介護保険事業、助け合い活動との連携を強化し高齢者福祉事業の推進を図ります。