ニュースダイジェスト

厚生連の状況及び事業方針について

医療を取り巻く情勢は、診療報酬が平成24年度の改定により引き上げられたものの、新医師臨床研修制度の導入を契機とした勤務医の地域偏在による医師不足に加え、本県人口の減少や景気の低迷等による受診抑制の影響を受け患者数が大幅に減少しております。更には、病院経営において重要な経営資源である看護師等の職員確保についても深刻な状況が続いており、病院経営を取り巻く環境は依然として厳しい状況であります。
このように本会は医療従事者不足や患者数の減少に加えて、湖東・仙北の改築など多くの課題を抱える一方で、更なる安定した経営・財務基盤が求められており、社会情勢への柔軟な対応とともに効率的な事業運営に努めていく必要があります。
また、本会が運営する病院が県内各二次医療圏の中核的医療機関としての役割を担う中で、地域に必要な医療機能の確保等の課題に対しては、県や地元自治体、関係機関等と連携を強化しながら、良質で適正な医療提供体制の構築に取組んでいきます。

地域医療を安定的・継続的に提供します

経営改善計画の推進

・組合員をはじめ地域の皆様が安心して受けられる医療提供体制を構築し、末長く地域に貢献できる病院として、経営改善計画並びにアクションプランを着実に実行します。
・アクションプランの具体的な目標及び進捗状況を明らかにしながら、全職員が情報を共有し経営意識の醸成を図ります。
《詳細については秋田県厚生連のホームページをご覧ください。http://www.akitakouseiren.or.jp 》

収益確保対策

・診療報酬改定への早期対応に取組みます。
・効率的な病棟運営による病床稼働率の向上を図ります。
・クリニカルパスの現状分析及び見直しなど、地域医療連携の充実に努めます。
・未収金の発生防止と回収強化に努めます。

費用節減対策

・医薬品は後発薬（ジェネリック）への切替を促進し、廉価購入に努めます。
・保守点検業務・一般経費等についてもコスト意識を徹底し、支出統制を図ります。
《取組事項・・検査試薬の共同購入の推進》

医師の確保対策

・地域別、診療科別の偏在が顕著な病院を主体に医師確保に向けた取組を強化します。
・総合的診断能力を有する医師を養成するために県と共同で総合診療・家庭医養成事業を推進します。
《取組事項・・総合診療・家庭医研修センターの整備》

看護師の確保対策

・奨学金制度を最大限活用し、採用強化を図り、地元出身の看護師確保に努めます。

勤務環境の整備

・医療従事者の身体的、精神的負担の軽減を図るため、職員面談制度を充実し、ワークライフバランスに配慮し、ライフスタイルに合った働きやすい勤務環境の整備に努めます。
・医師に対しては積極的に医療クラークの配置を進め、勤務環境改善を図ります。
・院内保育所については乳幼児を持つ職員が安心して職務に専念できるよう、すでに設置済みの秋田組合総合病院・由利組合総合病院以外の病院についても整備を検討します。

良質な医療の提供に努めます

利用者満足度の向上

・患者さんや地域の皆様に親しまれる病院を目指して、アンケート調査等を実施し、利用者の満足度アップに努めます。

安全で安心な医療体制の構築

・医療法に従い、院内感染対策及び医薬品・医療機器の安全使用を徹底します。
・患者の苦情や相談等に適切に対応しながら、一層の安全管理体制の充実に努めます。

統合病院情報システム機能の充実

・電子カルテに対応した統合医療情報システムが整備されたことから、待ち時間の解消などの患者サービス向上や業務の効率化に努めます。

医療を担う人材育成と技術向上

・人事異動希望制度を取り入れ、適材適所への配置を促進します。
・人事交流を活発化させ、モチベーションや経営意識、多様な業務知識の向上を目的とした積極的な人材育成を図ります。
・認定資格取得への修学支援を行い、全体的な医療技術の向上に努めます。
・公的医療機関の職員としてコンプライアンスの徹底に向けた啓発活動・研修に取組みます。
《取組事項・・各病院職員間の職種別・階層別研修》

災害対策の強化

・本会は８病院が災害拠点病院の指定を受けており、災害時においても医療提供体制の維持が責務であります。
《取組事項・・通信体制の強化、備蓄品の検討、耐震対策、医療情報データの震災対応管理等の整備》

湖東・仙北はＨ26年の開院を目指します

湖東総合病院（Ｈ26.5開院予定）

・秋田県・地元町村・厚生連で構成される三者協議会によって策定した「湖東地区医療再編計画」を基本とし、病院機能見直しによる改築整備事業計画を策定し、県・地元町村とともに継続的な安定経営を目指します。
・地域ニーズの高い外来診療を中心とした初期医療、在宅・施設からの急性増悪などに対する入院医療及びリハビリテーション機能を担います。

仙北組合総合病院（Ｈ26.5開院予定）

・県の地域医療再生計画や市街地再開発事業と連動し、地域の中核病院として、高度専門医療・救急医療体制の充実に努めます。
・開放型病床と共同利用を目的とした高度医療機器を整備し、周辺医療機関とも積極的に連携を図ります。

保健事業・高齢者福祉事業について

保健事業

・組合員及び地域住民の生活習慣病を中心とした疾病予防の充実を図ります。
・市町村・JAとの連携のもと効率的な事業運営に努めます。
・がん検診推進活動について、積極的にPRし、受診率向上を目指します。

高齢者福祉事業

・訪問看護ステーション・居宅介護支援事業所の機能充実を図るとともに、JAが行う介護保険事業との連携を強化し、より一層の高齢者福祉事業の推進を図ります。
・由利組合総合病院内に開設した短期入所生活介護事業所（ショートステイ）については、組合員はじめ地域住民のニーズに応えながら、適切な運営に努めます。