農村医学会トピックス
Association of Rural Medicine
秋田県農村医学会第123回学術大会開催
7月13日、秋田県JAビルにおいて、秋田県農村医学会第123回学術大会(学術大会会長 神谷彰 北秋田市民病院院長)を開催しました。学術大会には、秋田県厚生連の職員、県内医療関係者、一般会員等、約570名が参加し、医療・保健・福祉の質の向上を目的に、幅広い分野から研究発表が行われました。メイン会場の大ホールでは、ワークショップ、研究班報告、特別講演を行い、76題の会員講演(一般演題)はメイン会場を含む4会場に分かれて実施しました。
午前の部のメイン会場では、北秋田市民病院 診療部長の佐藤誠先生が座長を務め、「『救急医療 再考』~令和時代の秋田で期待される救急の在り方とは~」をテーマにワークショップを行いました。少子高齢化による人口減少、更には医師の地域・診療科偏在の解消が難しい秋田で直面している救急の問題と今後の在り方について、6名の演者が発表とディスカッションを行いました。
午後の部のメイン会場では、共同研究班報告を行い、能代厚生医療センター整形外科診療科長の伊藤博紀先生から「医療の質改善、効率化および患者満足度向上に向けたクリニカルパス整備に関する多施設共同研究」、同病院医事課係長の宮城康春さんから、「秋田県厚生連グループ病院間でのQIの設定と目標達成に向けた業務改善活動」について発表がありました。
特別講演では、秋田大学大学院医学系研究科医学専攻 病態制御医学系 救急・集中治療医学講座教授の中永(なかえ)士師明(はじめ)先生から「CBRNE(シーバーン)を知ろう」をテーマに講演していただきました。CBRNEとは、化学・生物・放射性物質・核・爆発物の頭字語であり、テロ等の災害の増加と多様化により、リスクが身近になったため作られました。今回は、化学と爆発物に絞って講演いただきました。会場は、ほぼ満席の盛況の中、CBRNEの概要、化学テロの初期対応、爆傷についてわかりやすくご説明いただきました。米国は国家レベルで訓練するのに対し、日本は民間レベルで対応している現状を踏まえて、初期対応の正しい知識を学び、行政を中心とした対応戦略構築の必要性と病院の役割について考えさせられました。参加者はメモを取り、真剣な眼差しで深く聞き入っていました。
最後に、学術大会にご参加いただいた全ての皆様に深く感謝を申し上げます。