医療スタッフ - 業務紹介
臨床検査技師の業務内容を紹介します。
臨床検査科は、7つの部門(臨床化学と免疫血清を同一部門として)で構成され、最新の検査機器と情報機器を導入し、迅速かつ精度の高い検査を24時間実施しております。
臨床化学検査では、厚生連病院グループが同一の検査試薬を採用することにより精度管理の向上や検査データの収束化を図り高品質な検査データを提供しております。
また、臨床検査技師としてスキルアップを図ることは勿論ですが、専門性をより高めるために各種学会が認定する超音波検査士・細胞検査士・認定輸血検査技師等の認定を取得して活躍している技師がたくさんおります。認定技師を目指したいという希望があれば先輩技師の指導はもちろんのこと、希望によっては厚生連病院グループの協力を得ることも可能であり、認定技師取得のための環境は整っております。
また、チーム医療の一員として、栄養サポートチーム(NST)や医療安全・院内感染等の委員会にも参画しています。加えて、糖尿病療養指導士は、糖尿病教室などで、糖尿病やその合併症に対する療養指導も行っています。
以下、各検査部門の概要です。
臨床化学部門では、生化学自動分析装置や専用分析装置を用いて血清や血漿、尿、体液(胸水、腹水など)について化学的手法や免疫学的手法を利用して検査を行います。まれにしかオーダーされない項目も分析することがあります。検査結果については担当技師が関連項目比(LDH/ASTなど)や前回値比較、パニック値などを総合的に判断して、再検査すべきか、そのまま臨床医に報告すべきか判断します。
検査結果は病気の診断は勿論、治療効果や予後の判定に役立ちます。日本臨床衛生検査技師会の高品質な精度管理施設を認定する精度保証認証施設になっている検査科もあります。
免疫血清検査は、内分泌系ホルモン、腫瘍マーカー、感染症としてのウイルス抗原・抗体検査、自己抗体関連検査などを行っています。これらの測定項目は、広範囲にわたり、免疫化学発光測定や汎用自動分析機などによる測定を行い高感度な測定値が得られます。
日常検査においては、各診療科の要望に合わせた測定機器・測定項目を選定するのも検査技師としての役割となっています。近年、種々の検診・ドックなどの項目が、感染症のみではなく腫瘍マーカーなどのオプションの選定を行っていて、受診者自身の予防医学的な考えから腫瘍マーカーへの感心が目立っています。
血液成分を血液自動分析装置で迅速かつ正確に測定を行います。また、顕微鏡を用いて赤血球形態や白血球の分類を行うことにより、貧血、炎症、感染症、白血病などを調べる検査です。
時には血液造血を調べるために骨髄検査を行うこともありますが、顕微鏡下で骨髄像を分類するには高度な知識と熟練を要します。また血液中の血液凝固因子を測定することによって経口抗凝固剤の投与量決定や経過観察に用いる検査などがあります。認定には認定血液検査技師・認定骨髄検査技師があります。
交通事故による緊急手術等大量に輸血用血液が必要な場合に、患者さんに適合する検査や必要な輸血用血液の血液センター発注等準備を短時間に行います。同型の血液が足りない場合にはO型輸血を医師と相談します。このように命に直結する輸血では、院内における輸血業務の全ての過程が安全に行われるようにしています。
たとえば、輸血療法委員会院内監査のメンバーとして全部署全部門において安全が担保されているかを確認します。また、輸血に特化した機能評価ともいうべきI&A施設認証制度の視察員として認定に係り、院内だけでなく他施設のレベルアップにも関与し適切なアドバイスを行う事も大切な仕事です。輸血は一種の臓器移植とも言われており、医師との連携を大切にしています。
排泄物(尿や便)は、いろいろな病気の自覚症状が出る前に早期に発見する上で重要な検査対象です。尿検査においては、その外観からでも身体の異常に気づくことがあります。また尿中に蛋白や糖が出てないか、血が混じってないか、炎症はないか等を試験紙で判定することにより、腎臓疾患や泌尿器科疾患などの特定につながり、さらに顕微鏡を用いて尿中成分の詳細な分析をすることで病気の診断に役立つ報告も行っています。
便潜血は、消化管からの微量な出血があるかないかを調べることにより、大腸癌の早期発見につながります。検査値は、便潜血自動分析装置を用いて報告します。その他体腔液(胸水・腹水・髄液・関節液)の検査も行っています。
細菌(微生物)検査部門の主な日常業務は一般細菌・抗酸菌等の培養検査、結核菌・淋菌・クラミジアのPCR、迅速抗原検出検査など感染症全般の病原微生物を検索(一部は外部へ依頼)することです。加えて、院内感染対策委員会のメンバーとしての活動があります。細菌の同定や感受性検査の大半は、分析装置を利用したシステムが導入され、結果の報告は電子カルテに転送される時代になりました。現在、我々に求められているものは臨床に役立つ検査であり、施設内感染制御に果たす役割です。これには、技師の技量が大きく影響することになり、幅広い知識が要求されます。検査結果に対する臨床上有用な解釈やコメントは教育と熟練により養われるものであり、担当技師は積極的に学会活動等に参加する等、常に自己研鑽に努力しており、認定臨床微生物検査技師として活躍している技師もいます。
病理検査室では主に、病理組織検査、術中迅速検査、免疫組織化学検査、細胞診検査などの業務を行っており、組織や細胞を顕微鏡で観察し、病変の最終診断や治療効果の判定がなされています。
内視鏡検査などで胃や大腸から採取した組織の一部や、手術で摘出した臓器をさまざまな行程で処理し、臨床検査技師が病理組織標本を作成します。
その組織標本を病理医が顕微鏡で観察し、悪性腫瘍や炎症像などの最終診断をします。臨床検査技師と病理医が連携して、精度の高い病理診断を目指しています。
尿、痰、胸水・腹水中などに含まれる細胞から細胞診標本を作製します。その細胞診標本を顕微鏡で観察するのが細胞診検査です。認定を受けた細胞検査士が標本中の悪性細胞や異常細胞を見つけ出し、細胞診専門医と共に最終診断を行います。
生理検査は患者さんを対象に身体から出ている様々な信号を直接ひろって波形や画像にして状態を調べます。心電図検査や肺機能検査、PWV/ABI検査、脳波検査があります。また、超音波検査には腹部超音波検査と心臓超音波、血管超音波検査があります。
超音波検査士の資格を有する者は、秋田県厚生連全体で延べ70名以上おり、病院によっては、1日約200件もの超音波検査を行っております。 腹部超音波領域の指導検査士による造影エコーなど、高度な検査にも対応しております。
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